厚生労働省の2025年2月27日発表によると、2024年に生まれた子どもの数(外国人を含む、出生数)は、72万988人と過去最少となりました。ここ最近の減少率は前年比3~5%程度であり、今後もさらなる出生数の減少が懸念されています。
その一方で、日本人の平均寿命は延び続けており、最近では人生百年時代という言葉が頻繁に使われるようになりました。
仮に、出生数が年間70万人で寿命が100年としますと、日本の人口は百年後には7000万人になるということであり、現在と比べて4割以上人口が減る計算になりますが、近年の減少率を踏まえますとこれでも楽観的過ぎるかもしれません。
また、財務省は2025年2月10日、国債と借入金、政府短期証券を合計した、いわゆる「国の借金」が2024年12月末時点で1317兆6365億円と過去最大だったと発表しました。これは国民一人あたりに換算すると1085万円となります。
こうした毎年の財務省による発表によって、「日本国の借金は先進各国と比べてとんでもなく多額で将来的に返済不能になるのではないか、せっかく子供を産み育てても負担ばかり増え、巨額の借金を背負わされることになる子供がかわいそうだ。日本の将来は暗い。であれば、子供は作らずに自分の人生は自分のためだけに」という考えになってしまう若年層が一定数おり、これも少子化の原因のひとつになっているということは容易に想像できます。
さらに問題なのは、こうした発表は国のバランスシートの負債部分の情報しか適示しておらず、資産に関する情報が抜け落ちてしまっているという点です。
結局、彼らは”国の財政は厳しいから増税をする必要がある”ということばかり強調しているので、財務省を妄信している政治家がそれに振り回されて、これまで幾度どなく消費税増税が繰り返されてきました。
資産を含めた実際の国のバランスシートについて2024年4月5日の衆議院財務金融委員会の論議から引用しますと、独立行政法人や政府系金融機関を含めた国の資産は約963兆円、国の負債は約1545兆、資産負債差額は約582兆円とされており、他国と比べて楽観はできないものの悲観するほどの状況ではないということがわかります。
本来、国家の金庫番としての財務省には”お金がないから財政規律を重視していきましょう”と提言する役割はあるにしても、”お金がないから増税しましょう”と政治家に働きかけるのはお門違いです。
ともあれそうした財務省の発信は、とりわけ若い世代の将来不安を増長し、結果として、家計を消費ではなく貯蓄に回し経済を冷え込ませたり、少子化を進展させてしてしまっているように感じます。
そこで、なのです。
まさに政治の役割は、若い世代が日本の将来に夢を抱き、経済的にも満たされ、家庭を持ち、安心して子供を作り育て、彼らが両手いっぱいに羽を広げて活躍できるような社会をつくることです。
そのために、大事な視点は”逆算の政治”だと思います。
つまり、現役世代が責任をもって社会を担える30年後(2055年)から現在(2025年)までを逆算して(100年後では雲をつかむような話になってしまいます)、今何をなさなければならないかという視点で政治家が断固とした決意で取り組むことが重要です。
具体的には、まずは何より行政の効率化、統治機構改革です。
明治時代には郵便ひとつ運ぶのでさえ馬車で運んだそうで、とかく移動するのにも大変な時間がかかりましたので”国・都道府県・市町村”という3層構造の統治機構は必要であったと思います。しかしながら、今やインターネットで瞬時に情報のやり取りができ、在宅勤務で仕事をこなすことができる時代ですから、もっと効率のいい行政に変えることは十分に可能です。
従いまして私は、現在の統治機構を国と地方の役割を明確した「地域主権型道州制」に再構築すべきと提言しています。
国が行うべきことは外交・防衛・財政などに限定し、大方の国の仕事は道州や基礎的自治体におまかせをする、いわば令和版の究極の行政改革は、人口減少社会を見据えこれからの国のあるべき姿を示しているのですが、この推進論者は維新など少数派ですのでこれまで遅々として進んできませんでした。
また最近の若者の就職希望先として、以前と比べて公務員志向が強くなっているようです。
確かに市役所以上の大企業は皆無という地方都市は沢山あり、Uターン志向の人にとっては選択の余地がないという事情もあるようですが、さすがにこうした傾向はいかがなものかと暗澹とさせられます(最近は、国家公務員上級職はブラックとの評判が立ち、人気は落ちているようですが)。
若者が将来不安から安心安定を求めるあまり公務員という職に安住し、人生を自ら切り開こうという覇気や起業家精神が不足しているのであれば、そのような社会風土を作ってしまった政治の責任は極めて重いものがあります。
私は今年還暦を迎えますので、残された人生のリミットも意識するような年になりました。
義憤にかられ政治活動を再開しつくづく感じますのは、現在の政治の視野の狭さと停滞です。総理が商品券10万円配ったのは問題だというのもいいですが、そればかりに関心が寄せられて大計がおろそかになってはなりません。
日本がこれからも世界に冠たる立場で躍進を遂げていくために、人口減少社会を見据え統治機構改革をはじめとしたグレートリフォームを断行し、効率的で効果的な国家運営体制にすること、そして規制緩和や減税などを通じてこれからの世代には様々な機会(教育やビジネス等)を提供し、彼らがもっとGDPの拡大に貢献しうる民間でのチャレンジに目を向けて頂けるような社会にしていくこと、これが30年後からの警鐘を踏まえた待ったなしの改革の方向性です。
もちろん、その過程でいわゆる業界団体組合といった既得権益からの強烈な抵抗にあうことは容易に想定されますが、それに立ち向かう覚悟を持っているのは、そうしたしがらみのない我々維新以外にありません。
日本維新の会の挑戦、お力をお貸しください。
