10月20日に足利市議会全員協議会で、今回の事件に関する現職職員を対象とした庁内調査結果を公表し、10月24日に関与した現職職員の処分をしました。
それにしても、市として8月25日に第一回目の調査報告を公表して以降、
「私は知らなかった」
と語っている当時区画整理事業を所管していた市役所幹部職員OB(以下、市OB)が何人もいるのがとても心外です。
例えばある会合では、市役所の組織上その不正行為を知りえる立場にいた市OBが私のところに寄られ、
「いやいや、私は全然知らなかったですよ。でもよかったですね、今回(この事件が)明らかになって」
と他人事のように話かけてきました。
なんともはや、です。
私には、「私は知らなかった」ではなく「あれは部下が勝手にやったこと」と言っているように聞こえました。
組織的な不正行為で、当時市の責任ある立場にいた人が本当に知らなかったのでしょうか。私の市長としての経験からしても、そんなことはとても考えられません。
仮に本当に知らなかったとすると、何ていいかげんな組織管理をしていたのかということになり、どちらにしてもその責任を免れることはできません。
それに加えておかしな話ですが、行政上の責任は退職した市OBには追求することができないことになっています。従って、平成11年度、平成14年度に関わった市OBには、制度上何の咎めもできません。
一方で、平成17年度の事件に関与した幹部職員はまだ現職で市役所に在籍しています。いわば私の職場仲間ですが、関与を認めています。従いまして、涙を呑んで厳正に処分しました。
これは市長たる私にとって本当につらいことです。
報告書にもありますように、おかしいとは思いながらも、不正行為に加担させられ、忠誠を尽くしてきたその職員らの心中を慮ると察して余りあります。
このなんという不条理!
その意味で、市OBにおかれてはもっと道義的責任を感じて頂きたいし、それを踏まえた立ち居振る舞いがあってしかるべきです。また、市民からの信頼回復や再発防止のため、またかつての部下をはじめとした現職の市役所職員全員のためにも知りうる全てをを語ってほしいと思っています。