先週の土曜日の未明に、社会保険庁改革法案、年金支給漏れの時効を撤廃する特例法案そして国家公務員の天下りを一元管理する国家公務員法改正案が成立しました。
いずれも基本的な改革の方向性については、私は前向きに受け止めています。
特に国家公務員法改正案を成立させた渡辺大臣の突破力は評価されていいのではないでしょうか。
わいわい国会が喧しいのは、与野党ともに参議院選を前にしたパフォーマンスが相当入っているので、その点は少し割り引いて見なければなりませんね。
その中でつい見過ごされがちなのは、つい先日までは大問題になっていた政治団体の事務所費問題です。
この問題の対応策として、与党は政治資金管理団体の事務所費については5万円以上の領収書の添付を義務付ける形で改正しました。
一見、これである程度は透明になったと見えるかもしれませんが、実はそうではなく、これは全くのザル法です。
一般に政治家が関与できる政治団体には「政治資金管理団体」と「その他の政治団体」とがあります(厳密にいうと政党の政治団体もあり、もっと細かくなります)。
その政治資金管理団体とその他の政治団体間のお金のやり取りは上限がなく自由ですから、政治資金管理団体だけ規制しても通常の政治団体の事務所費は領収書の添付が不要となっており、いくらでも付け替えることが可能なのです。
要するに抜け道だらけの法律といわざるを得ません。
その意味で、この事務所費問題はパフォーマンスといわれても仕方ありません。
そもそもこうした問題が生じてしまうからには、政党助成金は廃止するのが先決でしょう。
これを導入したときの企業献金の是非に関する議論はどこかに吹き飛び、ほとんどの政党は企業献金も受け始めているのですから。