【地域主権型道州制】と【令和の市町村合併と地方議会改革】で究極の行革:統治機構改革を!

我が国における生産年齢人口は2025年の約7,353万人が2050年には約5,540万人へと25年で約1500万人減少する見通しになっており、社会の担い手が足りなくなるのは明らかです。
 これに対してどのような対策を講じるべきか、我々政治に関わる者に課せられた責任は重大です。
 それを踏まえた上で、【地域主権型道州制】と【令和の市町村合併と地方議会改革】の二つの視点から提言します。

【地域主権型道州制】
 明治維新以来官僚が全国を画一的に支配する中央集権体制が続いてきました。
 その結果、地方が有していた個性や多様性は軽視され、どこの自治体も金太郎あめのような”同じ顔”をした何の代り映えのしない街があちらこちらに誕生しました。
 そのような中央集権型の政治から、地方重視・地域住民主体の「地域主権型道州制」へ移行することがこれからの個性あふれる地方の街づくりを進めるうえで極めて大事です。

 この「地域主権型道州制」は、国、道州、基礎的自治体の役割分担を明確に定め、国が行うべきことは外交・防衛・財政などに限定し、大方の国の仕事は道州や基礎的自治体におまかせをする、いわばいわば令和版の究極の行革です。
 そうした新しい行政の仕組みをつくるためにも、3ゲン(権限・財源・人間)を徹底的に地方へ委譲することが必要不可欠です。なぜならこれまでのような「国のひも付き補助金の一括交付金化」では、中央による地方への統制が続くだけで、地方が真に自立自走していくことができないからです。

 そこで私は、近未来の地域主権型道州制に向けて、以下の5つの視点から国と地方の役割を見直す提言をしています。
 1,内閣に道州制担当大臣を置き、地域主権型の道州制の理念、実現までの工程表、地方の代表も参加した道州制推進委員会の設置を明記した「道州制基本法」を制定する
 2,道州制基本法制定後、憲法改正も視野に入れつつ、国会の立法事務を限定する
 3,地域主権型道州制確立に向け、現在「6:4」である国と地方の財源比率を、国・道州・基礎的自治体が「5:3:2」の割合で歳入を得られる仕組みを目指す
 4,地域主権型道州制に向け、消費税・法人税等の税財源、国の資産・負債を再編成し、特に消費税は地方に完全委譲し、地方の基幹・安定財源とする
 5,地域主権型道州制に向け、「ひも付き補助金」と「地方交付税」を廃止する

 どれも一朝一夕にできるものではありませんが、こうした方向性を見据えて私は地域主権型道州制の導入に向けて取り組んで参ります。


【令和の市町村合併と地方議会改革】
 生産年齢人口の減少を踏まえた具体的な対策としては、65歳以上の人材の登用、出生率の向上や有為な外国人材の活用など様々ですが、そうした施策を推し進める上で、市町村合併と地方議会改革(政治家とりわけ地方議員の専業化から兼業化へのシフトチェンジを促すこと等)が、社会変革の象徴として有効であると私は確信しています。

 明治維新後の1870年代から、国民が政治参加を求める自由民権運動が広がり、国会開設や憲法制定そして地方自治等の必要性が訴えられました。
 それを受け、1878年に郡区町村編成法や市制町村制など地方三新法の制定により、府県会や町村会が開設されましたが、地方行政は中央政府が強く管理する体制(府県制度、知事は政府任命など制限付き自治)として位置づけられていました。

 そして第二次世界大戦後、地方自治の根幹をなす地方自治法(ちほうじちほう)が、日本国憲法に基づく地方自治制度の具体的な枠組みを定める基本法として1947年(昭和22年)に制定され、地方公共団体の組織・運営・権限を体系的に規定し強化されました(首長の直接選挙、議員の普通選挙、議会の権限拡大など)。
 しかしながら、未だに財政面において独自の課税自主権は制限され、重要な財源は地方交付税や国庫補助金となっており中央政府依存が依然として強いものがあります。

 こうした状況を私なりに整理しますと、現状は
1 行政が議案を作る構造
日本の地方政治は地方自治法に基づき、二元代表制ですが、戦前と比べて強化されたとはいえ、実務面では議案はほぼ行政が作り、議会はその追認機関となっているのが現状です。
政策立案能力は行政側が圧倒的に強いです。

2,議会事務局は議案立案を求められていない
その追認機関になる理由は簡単で、行政には法務部門や政策立案部署がある一方、議会内にある議会事務局はいわば市長部局の出先機関であり、政策立案という役割を(表面上はともかく)実質的にそもそも求められていません。

3,地方財政は国に依存
また、地方自治体の重要な財源として、地方交付税や国庫補助金があります。
これは地方の財政を支える一方で、地方自治体は国の制度に従って事業を実施する下請け的な構造になっています。
つまり、地方自治体の政策を自由に決める裁量はごく限られています。

4 与党・野党の対立構造が弱い
また、国会では与野党の対立がはっきりとしていますが、地方議会ではそこが見えづらく、首長選挙では与野党相乗りでオール与党体制が築かれる場合が多く(野党は実質的に共産党だけ)、結果的に議会は追認機関となりがちです。

5 地方議員の役割が、議案提案や行政監視よりも地域利益の確保となりやすい
そして現状の地方議員は、そうした追認機関としての議員に違和感を持っていない方が多く、政策よりも自らの次の選挙のための地域要望や陳情そして利害調整などを政治活動として重視する傾向があります。

という側面があり、以上の5つの点を踏まえれば、私は令和の市町村合併で行政や議会の効率化(役所内共通部門の統合、行政DXの推進、休日夜間議会による議員のなり手解消など)は避けて通れないと確信しています。

そこで、まず
(1)市町村合併をせず中核市の規模にならない選択をした自治体においては、
米国の基礎的な自治体で採用されている「市長・市議会型(Mayor–Council制)」を参考にして、
①議員定数の削減(10人程度)
②市長が議長
③議会は、休日夜間議会の開催もしくは毎週1度の夜間定例会(隔週での議会と委員会の開催のみ)
④フルタイム議員から兼業議員へ
⑤委員会中心主義の廃止
とし、そして
(2)市町村合併をして中核市の規模になる選択をした自治体や政令指定都市においては、
①議員定数の削減
②議会事務局を議会政策局へ拡充(予算分析官、法律顧問、政策スタッフの充実)
③休日夜間議会の開催
とします。

要するに、(1)ではこれまで通りの国主導の地方自治として「効率性」を追求し、(2)では地方議会においてはできるだけ多くの被選挙権者が立候補しやすい環境を整えつつ、「質問する議会」から「政策をつくる議会」へ、議員主導で政策をつくる政治文化に地方政治を改めていくことを狙いとしています。