足利市長選(平成13年)を検証する

HOME > 足利市長選の検証(平成13年)

●大豆生田みのるが統一教会(統一協会)でないことの簡単な証明

●これ以上足利の選挙を汚させないために

足利市長選まかれた怪文書
選挙前・中を通じて、写真中の黄色い中傷看板が町中に軒並み立てかけられた(当然のことながら、公道にこうした看板を立てかける行為自体、違法だ)。
足利市長選まかれた怪文書 枠
王子局消印と荒川局消印で、投票日3日前の木曜日に足利市のほぼ全世帯に郵送された。
↓画像をクリックすると拡大表示します。
足利市長選怪文書
枠
足利市長選怪文書 枠
こんな稚拙な怪文書も足利市内に出回っていた。
足利市長選怪文書
枠
足利市長選怪文書 枠
選挙戦最終日の午後、統一教会の今泉氏がインターネット上に書込んだ問題の怪文書。
新聞報道によれば対立陣営はそれをコピーして配付していた。
↓画像をクリックすると拡大表示します。
今泉春男怪文書
枠
足利市長選怪文書 枠
投票日当日に、新聞折り込みでほぼ全世帯に配られた。
新聞折込
枠
謝罪関連の新聞記事 枠
そして、選挙戦が終わり、平成13年6月8日、朝日新聞栃木版に謝罪関連の記事が掲載された。
謝罪関連の新聞記事
枠
今泉氏謝罪文 枠

平成13年6月10日には、新聞各紙(毎日新聞、読売新聞、朝日新聞、産経新聞など)に統一教会(統一協会)今泉春男氏の
大豆生田実氏への謝罪広告が掲載された。

毎日新聞記事
毎日新聞より
枠
前途ある人義憤を感じる 前途ある人義憤を感じる
両毛新聞「読者の視点」より
■大豆生田君は統一教会関係者ではありません
枠
足利工業大学理事長 三宝院住職  岡平 悟朗
枠

 この度の市長選は、故早川一夫市長の急逝に伴うものであり、誰もが思ってもいかった事態の中で、何はともあれ早川市政の継続を願う空気は強く、いち早くその継続を表明した、地方政治について経験豊かな吉谷宗夫候補が当選したのは妥当な結果と思う。
 しかし、それとは別に大豆生田実候補が、「統一教会の信者である」あるいは「信者であった」、「統一教会の信者がこの選挙運動に加わっている」という悪質なデマにさらされたことには、大いに義憤を感じる。
 なぜ、ここで私が筆を取るかといえば、大豆生田家は代々、三宝院の檀家であり、大豆生田家を長年よく知るものとして「宗教問題でもあるから、統一教会の信者でないことを、菩提寺の和尚に証明して欲しい」と大豆生田君本人から頼まれたからで、江戸の昔、寺の和尚が檀家の死に立ち会った際、キリシタンではないという証明を出したことがあるそうだが、現在においては、確認書なるものがどれだけの効果があるものかわからないので、代わりに両毛新聞社の好意もあってこの一文を書くことにした。
 私も、市長選が近づいた頃、この噂についてある人が語ったのを聞いたことがある。その人は、大豆生田候補の支持者だとは思えなかったが、「そんな馬鹿なことはない」とこの噂については、一笑にふした。私もこれが一般の常識的なとらえ方であろうと思って、さほど気にとめる事はなかった。しかし、選挙戦が始まって家内が近所で聞いてくる話は、かなりしつこいものであった。選挙が終わってから、初めは大豆生田さんに投票しようと思っていたのが、義理で出た吉谷さんの個人演説会で、統一教会信者の話が強調されるものだから、半信半疑ながらとうとう「大豆生田はやめて、吉谷に投票した」という話を、家内はその本人から聞かされたそうだ。
 大豆生田君が寺に相談に来たとき、これまでのおおざっぱないきさつを聞き、怪文書のコピーを二種類もらった。まず、統一教会との関わりについて、本人の話では15年以上前、大学1年のとき統一教会に入った先輩を脱会させる手助けをしたことが最初で、その後それとはまた別に彼のまわりで一時、惑わされてしまった人がいたなどの理由で、学生時代何度か統一教会と対峙したことがあるだけ。従って統一教会から恨まれることはしても、統一教会の信者であったことなどありえない。
ましてや、霊感商法的にどこそこの保育園に壺を売り歩くなどありえるわけがない。また、今回のデマは仕掛け人はかなり熟練した専門家で、人の心を巧みに扇動する情報操作にたけた人物であり、さらに大量の怪文書も少なからず影響を与えたが、デマであるが故に、そうしたことがどれくらい選挙に影響するか十分に想定していなかったため、その分対応は後手後手になってしまったとのこと。
 話を聞いて、うなずける点は多々あった。例えば、ある怪文書には統一教会代表者を思わせる人が実名で、「大豆生田さんは、現在統一教会とは一切関係ありません。しかし15年前大学生時代は信者でした」と語っている。そしてある文書には「統一教会はオウム真理教と同じようなカルト集団だ」とその恐ろしさをあおっている。あるところでは、「彼には特定の宗教と関わっているという噂がある。もしそれが本当ならば、そんな人に市政を任せてよいものだろうか」と、仮定に仮定を重ねた話をしている。話し方によって、人にひょっとしてと思わせる話もできる。
 彼のような組織を持たない、いわゆる今日流行の無党派層をターゲットにするものには、何よりイメージが大切であり、そのイメージを傷つけるには、この種の話がもっとも効果的である。「まさか」と思ってもどこかに「ひょっとして」と疑念が生じれば、今度は「さわらぬ神にたたりなし」と、敬遠の心が起こる。その人間心理現象とは恐ろしいもので、大腸菌O157に汚染されたといわれたカイワレ大根を見ればわかる。厚生省(現厚生労働省)から名指しにされた地域のものばかりでなく、全国のカイワレ大根が一夜にしてスーパーから姿を消した。それにO15
7騒ぎが忘れられた現在、カイワレ大根も忘れられ、現在の生産高は最盛期の半分にしか戻っていないという。
 私は、若い頃10年間ばかり新聞記者をしていて、地方の首長選もいくつか見てきた。そこでは、時に一騎打ちともなれば、大なり小なり中傷合戦はつきものであった。30年たった今を見ると、かなり異質なものを感じる。昔は、同じ市、同じ町、それぞれの陣営の顔ぶれもわかり、早い話が両陣営の顔が見えて、更に棒で殴りあう程度の感じであったが、現在は違う。情報化社会のもとインターネットをはじめ、短時間で多くの人に伝える手段はいくらでもあり、勝手連と称して、何処の誰もが云いたい事をいえる。現に怪文書の主は「東京在住、故郷を守る勝手連々中」とある。であるから実際の顔は見えてこない。
 昔から見れば、ハイテク兵器を使う狙撃兵が足利市内ばかりでなくはるか東京にいて、何時でも狙い撃ちができるということである。
 この種のデマゴギーは、もとよりルールのある戦いならば禁じ手である。普通の戦争でさえ、使用禁止とされる毒ガス兵器か、細菌兵器に属するものである。使用するしないは倫理の問題であり、良心の問題である。
 このようなことが流布されることは、吉谷陣営といえども心ある人は潔しとしなかったことに違いない。
 市長選は終わった。最初に述べたとおり、吉谷さんの当選は妥当な結果だと思うし、このデマによってゆがめられた結果だとは思わない。しかし、このデマによって大豆生田君のイメージが、どれくらい傷つけられたかは、実際に計りようがない。
もう元に戻れないカイワレ大根になったら大変である。
 前途ある身である。二度とこのようなデマにさらされない事を願うものである。




枠
統一教会(統一協会)に関するご相談などがありましたらこちらからどうぞ
大豆生田みのるHOME > 足利市長選(平成13年)の検証