能と足利氏

能といいますと、演者が能面をかぶって台詞を話しますので、聞き取りにくいところがあり、どうしてもわかりづらいという印象があります。それだけが理由ではないと思いますが、現状は残念ながらポピュラーとは言えません。

しかしながら、申し上げるまでもなく、能は、日本が誇る世界に冠たる文化であり、日本の歴史の奥深さや日本人の精神文化と大いに関係がある芸術でもあります。

その能を、現在の形式に昇華させた最大の功績者は、能を大成させた観阿弥・世阿弥親子を庇護した室町幕府三代将軍足利義満に他なりません。その義満の八代祖先が、鑁阿寺の創建者足利義兼ですから、足利市も能とは薄からぬ縁があります。

さらには、能の演目の中には、義兼の時代から採られたものが少なからずあります。例えば、今年の大河ドラマは「平清盛」ですが、その平家の栄枯盛衰を描いた「平家物語」を題材にしたものとして、源義経が登場する「鞍馬天狗」「船弁慶」や「安宅(あたか)」などは、広く義経の逸話として知られている話でもあり、まさに代表作と言えるのではないでしょうか。

平安末期の激動する時代背景と義経らの果たしてきた歴史的な役割を重ねながら、なぜそれが能の演目として採用されたのか、またどのような意味が込められているのかといった視点で見た時に、私は旧に倍して一層興味がわくようになりました。

まだまだ大向こうから言うことはできませんが、少なくとも、文化の香り高い足利市で能の公演が継続して行われる意義は大いにあると思いますし、そのためには、能のファンの裾野を広げることが欠かせません。その意味で、特に中学生や高校生を対象に、AKB48もいいですが、能の面白さをわかりやすく伝えて、普及振興を図る取り組みも検討したいと思います。

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