論語教育で人間力向上を

イギリスのブレア首相は、1997年5月の就任後初の記者会見で就任直後の演説で「私に最優先事項は何かと聞いてくれ。答えよう。それは教育、教育、そして教育である」と述べました。
まさに国家百年の計は教育にあり、「子供たちは日本の宝、日本の未来」です。

私は、教育とは先の見えない世の中をいかに勇気を持って生きていくかを教えることだと考えています。
誰しも大人になり社会に巣立つ日が来ます。
そして、誰にも労せずして栄光をつかむことができるような約束の地はありません。
だからこそ、社会に巣立つまでの教育課程の中で、そうしたいわば世の中を生き抜くための人間力を涵養することが大事なのです。
その意味で、「読み・書き・そろばん」といった基礎をしっかりと身につけることはもちろんですが、それに加えて創造的でイノベーティブな考え方ができる人材を育てる必要があります。

「あればあったである悩み、なければないでない悩み」という言葉がありますが、どのような環境におかれても人としての悩みや苦しみはついて回りますし、同時に喜びや楽しみもそれ以上にあるものです。
まさに人生いろいろの世の中で、山あり谷ありは当然と達観し、谷間にあっても悲観せずに立ち上がる勇気を持ち、頂点にいるときでも奢らずに謙虚に自らを律していくことによって人生は豊かになるということを、学校教育の中で学んでいれば、その人の人生はきっと有意義なものになると思います。

そこで、そのための人間力を高めるための教育の一環として足利市では、足利学校の中核となっていた論語を小中学校の現場で論語素読をはじめ様々に活用することにしました。

子貢問いて曰く、一言にして、以って終身之を行うべき者有りやと。
子曰く、其れ恕か。
己の欲せざる所、人に施すこと勿れと。

「弟子の子貢は、孔子に質問した。一生の指針となる言葉をひと言でいうと何でしょうか?
孔子は次のように答えた。それは恕だ。自分のしてほしくないことは、人にするなという意味だ」

これは論語の衛霊公にある一節でが、この“恕”とは日本語では思いやりと訳されています。
こうしたことも論語を通じて子供達が自分のものにしていければ、それが将来必ずや役に立つはずです。
この他、論語には人生を生き抜く上での知恵が数多く散りばめられています。その珠玉の言葉を活用して、是非とも人間力のある有為な人材を数多く輩出していきたいと思います。

【追記】
新任職員研修でも論語素読をして頂いてます。
読売新聞記事 20120407

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