●2011年3月11日午後2時46分
あの時は、市役所で市議会全員の最中でした。
その後の対応は以下の通りで、今読み返しても胸が締め付けられる思いにかられます。
https://www.j-beans.jp/wp-content/uploads/2011/03/11.03.11tweet.pdf
ここ連日、東北の被災地の復興状況が取り上げられており、今日も陸前高田市では市街地を12メートル以上もかさ上げをしているニュースが流れていました。
着実に一歩づつ道筋がつき始めているようで、何よりです(_ _)
それにしましても、天災そのものをなくすことができないわけですから、それに対してどのような対策を講じるか、これが政治に関わる者の大きな責任だということを痛感します。
●中橋架け替え問題
そこで、足利に目を転じてみれば、自然災害で最も懸念されるのは、渡良瀬川上流域の集中豪雨による中橋たもとの決壊です。
この件は、私が20年前に政治を志した時点からずっと問題意識を持ち続けてきました。
そして、東日本大震災を目の当たりにするにつれ、本格的に動き出さなければならないというう危機感をもち、地元説明会や地域住民のコンセンサスを得る努力をしつつ、取り組みを進めてきました。
https://www.j-beans.jp/?page_id=4603
https://www.j-beans.jp/?page_id=4267
しかしながら、です。
私の力不足故の2013年の落選を機に、残念ながら、中橋架け替え問題は止まってしまったかのように見えます。
●陸閘(りくこう)は非現実的です。
最近は、具体的な架け替えのための前向きな話し合いではなく、中橋の取り付け部にゲートをつくって増水時にはそれでふさいで堤防の役割を担わせようとする陸閘を設置する可能性が検討されているとのことで、これには心底驚かされました。
明らかに現実的でないことを議論しているとしか思えません。
これは要するに問題先延ばしのための、アリバイづくりではないでしょうか。
過去には、画像のように内陸部でも陸閘ありましたが、現在はそのようなものは一級河川では日本全国どこにもありません。
●中橋を架け替えると中心市街地の活性化が損なわれる?
この件について、これまで市民の方と議論をした際に、
「中橋を架け替えると中心市街地の活性化が損なわれる」
という意味で反対を表明する方もいました。
確かに、中橋が今の堤防レベルにかさ上げされれば、交差点や踏切が立体交差になってしまいかえって不便をきたすところもあります。
従いまして、それに関しては、そのためのアプローチ道路を工夫して用意しなければならないと思います。
しかしながら、それと中心市街地の活性化の問題は全く別問題です。
なぜなら、架け替え云々関係なく、既に中心市街地は厳しくなっているからです。
また、
「中橋のあのデザインがなくなるのはさみしい」
という反対意見もありました。
それは同感ですが、そのデザインを活かして新しいものを作り上げればいいのではないでしょうか。
●必要なのは政治家のやる気
では、どうして架け替えが進まないのでしょうか。
それは政治家にやる気がないからです。
やる気があれば、できるのです。
なぜなら、どのように橋を架け替えればいいか、内部的な検討は済んでいるのですから。
70年間洪水が起こらなかったのだから大丈夫だろうという根拠のない楽観論と、反対者がいる中であえて火中の栗を拾いたくないという自己保身は、足利市のためにはなりません。
いずれにしましても、中橋架け替え以外で、もし建設的な対案があるならば、速やかに提示すべきです。
●不都合な真実
あの日。
あれほどまでの津波がくることは、想定外でした。
あのような形で原子力発電所が爆発することも、想定外でした。
しかし、この中橋の問題は、想定外ではありません。
昨年の、鬼怒川が決壊したレベルの集中豪雨が渡良瀬川上流に降ったら、渡良瀬川流域で真っ先に決壊するのは、中橋のたもとです。桐生から渡良瀬遊水地までまで、2メートル以上切り下がった堤防は他にどこにもありません。
もし決壊すれば、一中地区、二中地区、三中地区は、たちまち湖のようになってしまいます。河南地区も大変です。
本来、ハザードマップ(2013年11月18日更新)は、ここまで反映すべきなのです。
http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/site/hazardmap/hazardmap-zenzu.html
マスコミも、なぜこの不都合な真実を報道しないのでしょう?
あの教訓が活かされないのは本当に残念です。
仕方がありませんので、5年目を迎えたこの日に、あえて再び記します。