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5、環境施策(2005年)

- 美しい地球を次の世代に。環境大国を目指して。 -
足利市は中心部を東西に渡良瀬川が流れ、北を足尾山系に連なる山並みが、そして南は関東平野の北端が占めており、まさに山紫水明豊かなまちです。
最近、その豊かな足利の山並みに異変が目に付きます。
そうです、松枯れです。
山並み一面の松がほとんど枯れ果ててしまっているのです。
新緑の季節には、その茶色く枯れた姿が特に痛々しく見えます。松くい虫が原因と言う方もいらっしゃいますが、それだけではなく酸性雨なども加わった複合汚染による松枯れではないかと私はにらんでいます。
またその山間部にはもうひとつ問題が生じています。
そうです、ゴミの不法投棄です。
夜な夜な不心得な人物が、トラックに廃棄物を積んで、誰も頼んでもいないのにそれを山間部の沢筋になみなみと注いでいくのです。
そこはまさに足利市民の水源となるところであり、看過する事はできません。
この問題を防ぐために、まず第一は取り締まりを強化することが必要ですが、足利市は山間部が多すぎて、警察や行政も対応に苦慮しているところがある様です。
先日、名草地区から松田地区にかけての山道を歩いてみましたが、谷底に家電製品や家具類が散乱し、目を覆うばかりのところもありました。憤りを感じます。
同時に、そうした問題に直面しながらも、それに対して有効な対処ができない行政の限界を垣間見て、なんとも重い気持ちにさせられます。
ある方が、「ゴミは人間の手が捨てるのではなく、心が捨てるんだ。だからゴミは手で拾うのではなく、心で拾わなければいけない」といわれましたが、まさしく至言です。
環境問題に関しては、教育の段階からしっかりと取り上げていくようにしなければならないということだと思います。
もちろんこの松枯れやゴミ不法投棄はひとつの顕在化した問題に過ぎません。それらのみならず幅広く環境問題全体を捉えて、政治が責任をもってより有効な施策を講じていく必要があります。
ところで、みなさんは日本全国にゴミ焼却場がどれくらいあるかご存知でしょうか?
なんと1900もあるのです。
ちなみに米国は170、ドイツは50です。この違いは一体どういうところに原因があるのでしょうか?
わが国の場合、大量生産・大量消費・大量廃棄の経済至上主義がもたらした負の遺産がそのままゴミの問題として象徴的に表れています。
大量廃棄されたゴミ問題に対して、行政は単に焼却場を作ることで対処してきました。
その結果、全国至る所でダイオキシンをはじめとした環境ホルモンの問題が、今そこにある危機として表面化し、日本は世界中からダイオキシンの実験国という烙印を押されてしまったのです。
ようやくここへ来てその焼却場の安全対策として、ダイオキシンの排出を抑える手立てが急ピッチで進められていますが、それと合わせてゴミそのものを減らす策を講じなければならないのです。
それをひとことで言うと、いわゆる3R施策の推進ということになります。
3R施策の推進
ひとつ目のRは、『Reduce(減らす)』のRです。
家庭の生ゴミを堆肥化し、ゴミの減量化を図ることなどがこれにあたります。
その生ごみ、足利市の場合どのように処理されているかご存知でしょうか?
現在のところ、普通の可燃ゴミと一緒に南部清掃工場で焼却処理されています。生ゴミを燃やすわけですから、紙と比べて大変な熱量がかかります。
つまりそれだけ費用がかかるわけで、こうしたあまり合理的ではない処理の仕方自体をそろそろ見直す時期ではないかと思うのです。そうした現状を踏まえ、生ゴミの堆肥化・肥料化を推し進めて循環型社会の構築を図ろうという動きが自治体レベルでも出てきています。
例えば山形県長井市がそうで、生ゴミ全般にわたって貝殻であろうが卵の殻であろうが一切合切分解して堆肥化しているのです。
もちろん民間企業では、そうした取り組みはかなり進んでいて、以前訪問した都内のホテルでは、循環型リサイクルシステムと称して、ゴミゼロに取り組んでおりました。
具体的には、8種類にゴミを分別し、各自がゴミを区分けしてそれぞれの容器にいれます。
ちなみに8種類とは、
1.
再生ゴミ(生ゴミ、生花、植木、葉、草、汚泥)
2.
可燃ごみ(紙くず、木くず、繊維くず、封筒、カーボンコピー)
3.
産業廃棄物(ビニール、プラスティック、発泡スチロール、ラップ、ガラス、陶器、電球類、電池、ゴム)
4.
紙類(新聞、ダンボール、牛乳パック、雑誌)
5.
ビン類(無職、茶、緑、その他)
6.
缶類(スチール、アルミ、鉄くず)
7.
廃油類(食用油、機会油)
8.
オレンジ皮
とのことで、8番目のオレンジの皮は石鹸として再生させるとのことです。
また、視察した生ゴミ処理プラント自体はビルの一階部分のわずか30坪程度のところに備えられており、それで毎日5t(約1万5千食分)の生ゴミ処理ができるそうで、導入費用は約1億1千万円。3年で楽に元が取れる計算とのことでした。
足利市では毎日出されるゴミの総量は180t程度であり、生ゴミの占める割合は約30%なので、生ゴミの総量は約55t。
ということは、生ゴミ問題に対する市民のご理解をいただいた上で、このホテルのプラントよりももっと大きいサイズのそれを市内の東西南北中央に設置すれば、理論的にはこの問題の抜本的な解決になります。
しかしながら現実問題、分別や回収方法などで課題もありますから、まずは学校給食から導入したらどうでしょうか。
 
2つ目のRは、『Reuse (再利用)』のRです。
例えば空きビンの再利用ということがあげられます。ペットボトルでさえ、欧州特にドイツでは再利用の対象となっています(なんと数十回以上再利用されたペットボトルでないとリサイクルに回せないそうです)。私の子供のころはコーラのビンをお店に返却すればお金が戻ってきました。これをデポジット制と呼びますが、いつのまにかその制度がなくなってしまいました。いつ頃なくなったのか覚えてませんが、紛れもなく過去の一時期わが国にもそういう時代があったのです。
要はそれを復活させればいいのです。そんなに難しい話ではありません。
3つ目のRは、『Recycle(リサイクル)』の Rです。
この言葉はすでに日本語になっており、広く使われていますので説明するまでもありませんが、これはReuseできないものへの2次的な対応手段として考えるべきことです。
欧米の例(とくにドイツ)を見るまでもなく、これらを推進することがゴミの減量化を図る上で極めて重要です。
環境問題は、我々の住む地球が永続可能なものとして存続できるかどうかという重い命題を内包しています。
その意味では冒頭に申し上げた松枯れは、地球が人類に発する警告ではないかとも感じます。その他様々な異常気象の顕在化は、地球が今後も持続的に発展することが難しくなっているというシグナルかもしれません。
そうした環境問題はあまりにも大きな問題であるがために自分ひとりではどうしようもないとあきらめてしまうところがあります。もしくは行政だけに押し付けてしまう傾向もあるようです。
そうではなく、ひとりひとりが身近なできることから始めることこそ、環境問題を解決する最大の方法だと思います。
わが国において1億2千万有余の国民が、そうした意識で環境問題を捉えていくことができれば、わが国は世界に冠たる環境大国になるに違いありません。
軍事大国ではない、環境大国として世界に貢献する役割こそ、山紫水明豊かな日本が果たすべき大きな役割のひとつであると確信します。

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